緊急講演会
『歴史的建物の保存と活用をめぐって』
日時 2007年6月10日(日)14:00〜15:30 |
<講演会開催の趣旨>
いま東京で、大正時代に建てられた貴重な建物の取り壊しが計画され
この6月にも、解体工事が始まろうとしております。
この状況について考えを深めるために、講演会を開催します。
アントニン・レーモンド。
大正〜昭和、戦前戦後に、日本で数々のすぐれた業績を残した建築家です。
その業績が今改めて注目され
現在、アメリカでレーモンド建築の展覧会が開催されております。
そしてこれが世界巡回展として
今年11月、神奈川県立近代美術館・鎌倉にやってきます。
身近では、札幌聖ミカエル教会がレイモンド設計による建築物です。
日本におけるレーモンド建築の代表的なものとして
東京女子大学(杉並区西荻窪)のレーモンド建築群があります。
本館、チャペルなど9個の建物のうち、7つが国の登録有形文化財に指定されていますが、
登録を申請しなかった体育館と東寮のふたつを撤去する、という方針を
昨年6月、大学理事会が発表し、これに対して卒業生を中心とする
「東京女子大学レーモンド建築 東寮・体育館を活かす会」が
再考を求めて署名活動などを行ってきました。
東京女子大学のレイモンド建築群は、初代学長・新渡戸稲造が、
アメリカのリベラルカレッジに習って構想した建学の精神を如実に示すものであり
とりわけ学生寮は、独特の様式で造られ、学生にとって貴重な空間でした。
私も、先人の志を受け継ぐこのキャンパスで4年間を過ごしたひとりですが、
大切にまもられ、生かされてきたこれらの建物の解体を
せめて11月のレイモンド建築展覧会まで延期し、
いくつかの代案が提示されているキャンパス整備計画について
あらためて検討する猶予を得たいと、心から願うものです。
札幌でも「ろいず珈琲館・旧小熊邸」や西区琴似「レンガの館」など
多くの人々の智慧と努力で、歴史的建物が保存、利用されている事例がある一方、
藤学園キノルド館のように保存運動が実らなかった事例もあります。
今回の緊急講演会では、歴史的建物の保存、利用の一般論や、
藤学園キノルド館の保存運動、函館遺愛学院の歴史的建造物保存への取り組みなど
身近な事例について、角先生のお話をうかがい
みなさまでこの問題について考えてみたいと思います。
ぜひ、ご参加くださいますようお待ちしております。
赤い実企画/レッドベリースタジオ 飯塚優子