MEMORYS  2004年1月〜7月
ここまで「気まぐれ雑記帳・いちいの庭から」。以降、「ひとこと日記」にタイトル変更。


7月19日(月) 日曜日に、こんなことした。

昨日は、午前中、娘の高校の学校祭を見物。
若いということは、なんて素敵。たいしたものです。
写真は、クラス対抗「垂れ幕コンテスト」。


午後から、シアターZOOで風蝕異人街の「授業」(イヨネスコ作)を観劇。

開演まで1時間ほど時間があったので、渡辺淳一文学館を訪ねた。
いちど見たいと思っていたので、良い機会。
南高時代の加瀬純子(「阿寒に果つ」のモデル)の文章や、
渡辺が同級生に送ったラブレターに心ひかれたのは
高校生を見てきた後だからかな。
生原稿って、不思議。
活字になることによって消えるものと、浮き出してくるものがある。
それと、渡辺作品は中国でずいぶんたくさん翻訳され(展示されていた)
「愛の毛沢東」と呼ばれているんだって。びっくりした。

さて芝居ですが、たいへん面白かった。
劇団極の西山美紀子。ユニットやプロデュース公演が全盛の昨今、
決してよそで芝居をしない、伝説的、といってよい実力派。
その彼女が他劇団の芝居で主役を張った。
どんな心境の変化があったのだろう。
「柄本さん(明)の『授業』を見て、すごく面白かったから」と言っていたが。

老教授のもとへ、女子学生が講義を受けに訪ねてくる。
初歩的な質問にも答えられない学生を相手に、
懇切丁寧に算数や、語学を教えるうち
教授のなかにある凶暴な精神が目覚める。そして・・・・。

西山は、その教授。
洪水のようなセリフ、意味を追うことをあきらめたくなるほどの言葉の渦。
それが、西山にかかると、くっきりと脈絡と色合いを持って、聞こえてくる。
抑制、激高、要求、拒否、期待、不安、等など、
移り変わる感情や、対象との距離が、詳細に見えてくる。

こしばきこう演出も、意図が明確で、好感が持てた。
西山の硬質な部分を、きれいに生かした。
冒頭、西山がゆっくり登場して、正面に座る、その動きから最後まで
能のような、というか、早稲田小劇場風というか、転形劇場風というか、
スリ足直線歩行と、フラメンコを取り入れた動き、足づかいである。
セリフだけで、十分面白いと思うけれど、それらの動きがあることで
変化が出て分かりやすい、とはいえる。
最後に象徴的に出てくるハーケンクロイツ、私は要らないと思うけれど。

午前中、長嶺ヤス子さんから電話。
12月6日、厚生年金会館で「オルフェ」を公演するとのこと。
8月上旬、その段取りのために1週間ほど来札する、とのこと。
また、金魚のフンのように、ついて歩こうかな。
彼女の言動を傍らで見ていると、とても色んなことを考えさせられます。
いい人とか、素敵な人とか、そんなことを超越した(いや、もちろん素敵ですが)
なんとも不思議な存在感のある人で、
私はその横で、猫のようにじっとしているのが、心地よいのです。


7月9日(金)

栗の花が満開。
お向かいの牧師館の脇の、文字通り「大きな栗の木」です。
花の匂いが強烈。50メートル先から、
ちょっと生臭いような、官能的な香りが分かります。



斎藤さんの退職後、主がないままの牧師館は
先日、内部の改装が終わって、新しい住人を待っています。
お向かいの久保田さんは、去年6月におばあちゃんが亡くなって
先日、納骨するのだと、ご親戚が集まっておられた。

そんな、ひと気のない一角に、この栗の木が満開の花を咲かせ、
久保田さんのお庭には、色とりどりのバラ、ラベンダーなど咲き乱れ、
ちょっと「秘密の花園」状態です。

我が家のカリンズが、もうすっかり赤くなりました。
晴れた日に、摘み取りましょう。


6月25日(金)  本を注文。

早速、多田智満子の本を3冊、Amazonに注文。
思潮社の現代詩文庫「多田智満子詩集」(どんな作品が収録されているか不明)。
エッセイ「魂の形について」。晩年の「犬隠しの庭」。
「ハドリアヌス帝の回想」「東方奇譚」「花の神話学」は
トランクルームに預けてある本のなかに、あるはず。

ずいぶん久しく「詩」というものを読んでいない気がする。
うつくしい言葉に触れたい、むしょうにそんな気がして。


6月25日(金)  早速情報、判明。

昨夜の雑記帳に、早速情報が寄せられ
長年の気がかりが解決した。
知らせてくれたのは、
札幌学院大「演劇とアートマネジメント」OBの悦朗くん。
ありがとう。
出典は以下の詩でした。確かに、これに間違いない。
この人の詩を、読んでみよう。この、言葉の調子がとても好きだ。

雲に兆(きざし)がある
ひびわれた骨に兆がある
喪神に向かっていそぐな心よ
すべて美しいものは風に描かれてある

「映像U」より(詩集『闘技場』(1960)から)/多田智満子


6月25日(金)  喪心、という言葉

長いこと、気になっている言葉がある。
あるいは有名な詩句なのかもしれないのだが、出典が分からない。
「喪心に向かって、急ぐな心よ」
次いで「すべて〜は、〜されてある」と結ばれるのだが
そこが思い出せない。

これは、あるテレビドラマに出てきた言葉で
時代は1960年代後半から70年代前半だと思う。
配役の一部に記憶があり、病身の姉が香山美子、近藤正臣が弟。
父親(だと思う)は大滝秀治。     
それで、この一家の苗字は「香月」といったと思う。
画家・香月泰男あたりを連想するが、どうなのだろう。
静かな家庭劇だったが、劇中、墨書されたこの言葉が
なぜかいつまでも、心に残っている。
どなたか、ご記憶があれば、小さな手がかりでもお知らせください。


6月11日(金)  出て来いザメラ。ザメラを醒ませ。

ひと月近くご無沙汰するうちに、すっかりいい季節になりました。
お変わりありませんか?
9日から「ヨサコイ・ソーランまつり」が始まって、町はにぎやかなのかな?

最近は、何してるのか、って? はい、あれこれ、やってますが、
なかなか、ご報告できるところまで、まとまりません。
もう少し、待ってね。ドンとまとめてお知らせします。
実は、何かと楽しいハナシもあるのですよ。
夏から秋へのレッドベリーは、乞う、ご期待です。

ところで、「チョウザメ」って、知ってる?
サメ、といっても、ジョーズみたいに歯があるわけではない。
正真正銘のお魚。キャビアはチョウザメの子です。
このチョウザメ、最近、石狩で捕獲されて話題になってますが、
昔から石狩川のヌシ、と呼ばれ、「弁天社」という古〜いお宮には
チョウザメを神格化した、石狩オリジナルの神様が奉られてる。
体長何メートルもあるような大きいのから、小さいのまで種類があるらしい。
ちなみに、石狩市役所のロビーの水槽には、可愛いチョウザメがいます。

それがどうした、って?
実は今、石狩市の8月のお祭りに向けて
小学生〜高校生の表現ワークショップをしています。
講師は「八軒物語」でおなじみ、本間盛行さんがお芝居部分。
音あそびの部分を、TPSの芝居でもおなじみ、ご近所づきあいの百瀬俊介さんが担当。
他にも、「八軒物語」メインメンバーの長谷川聡さん、
さっぽろ村ラジオの松崎霜樹さん、
などなど、おもしろがり屋フルメンバーで、取り掛かっているのですが、
この「チョウザメ」を、もっと親しみやすい神様にしちゃおう、という話があるのです。
一説に、「ザメラ」なんて、どうかしら?などと。

美深には、天塩川のチョウザメを多数飼育している町の施設があるとのこと、
見にいってみようかな。


5月15日(土) 石狩、いしかり、雨と晴れの。

昨日、一昨日と仕事の打合せで、石狩に通いました。
1日目は雨。予定の行動が出来なかったので、
話に聞く「番屋の湯」を、体験してみることにしました。
仕事モードから、レジャーモードへ、一気に切り替えて
露天風呂、展望休憩室、食堂等など、全部、拝見しました。
にぎわってますねえ。
雨で、自慢の風景を見られなかったのが残念。いつか夕陽を見に、もう一度。

石狩本町、市発祥の地。石狩市全体から見ると北東の端っこの
小さなエリアですが、石狩川が海にそそぐ劇的な河口のまちです。
     ここからは海となりゆく
     石狩の河口に立てば、立てば天啓。
はまなすの丘公園ビジターセンターに掲げられた、俵万智のうたです。

2日目は晴れ。仕事に同行してくれた役所の人とお別れして
ひとりで本町を散策。河口の堤防。船着場で釣りをする人。
潮風にさらされて壊れかけた家。槌音高く新築中の家。
旧役場跡の建設工事。様々な宗派のいくつものお寺、神社。
浜辺のサケ料理店。

浜に向かって歩くと、道端の藪からピーピー、ピーピーと鳥の雛らしい鳴き声。
そーっ!と近づくと、ピタリと声が止まりました。
目の前をシュッ!と鳥がかすめ飛び、行く先の道をヨタヨタ、歩いてみせる。
きっと、雛を守るためのパフォーマンス。
ごめんね、驚かせて。何も悪いことしませんよ。何の鳥なのかな。

ビジターセンターで、石狩の地ビールとサケチャーハン。それに、美味しいと評判の
はまなすソフトクリーム。かすかなピンク、かすかな香り。どれも美味しかったよ〜!


5月12日(水) 毎度、ありがとうございます。

きょう、さりげなく、1,000カウントを突破。
4月6日設置から37日目。
自分でカウントを踏んでしまうこともあるから割り引いて、
それでも、1日平均15〜20人の方が、何らかの用事で
来てくださっている計算になります。
うれしいな、いつもありがとうございます。
せっかくなら、来訪ついでに掲示板に一言、お願いいたします。


5月9日(日) 久しぶりに円山公園で。

学院大の講座OBが企画してくれて、円山公園でお花見をしました。
その様子は、http://www.akai-mi.com/art-management.html
に載せました、ご覧ください。

円山公園は懐かしい場所です。
石狩沼田から引っ越してきて、最初に入った小学校は、円山小学校です。
公園の脇を通り、北海道神宮(当時は札幌神社)の第二鳥居の坂を登って
家に帰りました。
中学のとき、宮の森の家から、学芸大学附属中学まで、市電で通っていました。
円山の電停まで、毎朝夕、円山公園を通りぬけます。
20代後半、フリーで仕事をしていたとき、円山公園に隣接する
古いアパートを仕事場にしていました。
「麗林荘」という名の通り、窓を開けると目の前が円山公園です。
上の写真の、白いマンションのあたりが、そのアパートの位置。
このまっすぐな樹木の並びは見覚えがあります。

歩いてみると、少しも変わらない懐かしいものと、全く変わってしまったものとが
モザイクのように混在し、なんとも不思議な気持ちになります。
こんど、ゆっくりと歩いてみようと思いました。


5月2日―その2  野毛の元次郎さんのサイト

以前、このページで紹介した横浜野毛大道芸のシャンソン歌手、元次郎さんの
追悼サイトを紹介します。
野毛についての著書「大道芸および場末の自由」がある平岡正明が
追悼文を寄せている。(私にとっての野毛は、この本から始まっている)
友人のひーさんの文章が胸にせまる。

http://spoon.cot.jp/ganjiro/index.html



5月2日(日・祝) ステラプレイスのストリート・パフォーマンス

昨日5月1日から5日まで、JR札幌駅のステラプレイス南コンオースで行われている
ゴールデンウィークのイベントに、3つのグループをコーディネートしました。
読み語りの松本直人さんと三人のクラシック演奏家によるTenpaカルテット。
高橋甲さんのタップハウス。
そしてブルーグラスの平塚研太郎さんのグループ。

きのう、Tenpaカルテットが2ステージ、出演。
1回目、ちょっと場の雰囲気がつかめず、
読み語りの「ブレーメンの音楽隊」は集中が途切れる場面があったので
2回目、前半、後半に分けて、間に演奏プログラムをはさむことにしました。
これが成功。松本さんがステージを降りて、客席近くで演技したのも
良かったようです。

さて、きょうと明日は、高橋甲さんとお弟子さんたち、それにパーカッションなどが
加わって、楽しいタップダンスのショウステージ。
2日間、2ヶ所でそれぞれ2回、あわせて4回、あります。
2日  15:00 1階東コンコース
    18:30 センター3階西アトリウム
3日  17:30 1階東コンコース
    18:30 センター3階西アトリウム

また、ぜひ聞いていただきたい平塚研太郎さんのブルーグラス・フィドルは
5日に2ステージ。16:00 センター3階西アトリウム、17:30 1階東コンコース。

ライブとストリートパフォーマンスの中間くらいの
気軽なスタイル、色々工夫すると、これは実に楽しいそう。
お出かけのついでに、お立ち寄りください。


4月19日(月)  考えがまとまらない。

7日付朝日新聞夕刊に、辻仁成の文章がある。
「パリで子育て テロの時代に」というタイトル。
人質事件の直前に書かれたものだ。

妻(中山美穂)がパリで出産したこと。
パリに住み、イラクやパレスチナをめぐるヨーロッパの動きが
生々しく身近に迫る実感を記している。そして、
「独自の外交を繰り広げるフランスの知恵に米国とは対照的な光を見た。(中略)
武力行使ではもはや世界は一つにはならない。
むしろ、一つの世界という美しい言葉は大変危険な匂いをはらんでいる。」
としている。

同じ文章のなかに
「世界は現在、大戦のなかにある、となぜ誰も論じないのか。」とある。
テロとの戦い、ではなく、大きな戦争なのだと。

自分の中で、矛盾する考えが、あれこれゴチャゴチャになっている。
今回の人質事件では、身近かな人を含め、たくさんの人が明確に考えを述べていた。
それが、なんとも両極端で・・・・・・。
考えかたはともかく、どうして、そんな言い方をするのかなあ、というものも多かった。

「丸腰だからこそ、安全なんだ」と、高遠菜穂子さんは常々言っているという。
国も、そうだろうか。
自衛隊のことを考えると、そこに行きつく。
私は、軍備を全く持たない国、というものの可能性を、
信じることができないでいる。
平和憲法を学んで育ったが、いつもこの点が腑に落ちない。

20数年前、社会党に属する知人に
「(軍備を全く持たずに)それで、もし、どこかから攻めてきたらどうするの?」
とたずねたら、彼はにっこり笑って、楽しそうに言った。
「そのときは、もろ手を挙げて、コウサ〜ン!って言う」。

冒頭の記事にもどる。
そういう、フランスのような、独自の位置を、
日本は獲得できるだろうか。

可能性だの、できるだろうか、だの言ってないで、
「自分の意志」というものを、持たなきゃいかんだろうが、
と、自分に言ってみる、けれど・・・・・・。


4月15日(木)  21:30、第1報。
 
イラク人質の3人が解放された。
1週間の経緯。膨大な、知りえない事実。
解放されていない人質の、表情。
映像の力。「言葉」では伝わらない本当のこと。
なんだったのだろう。


4月14日(水)  新学期、今年のテーマは色とりどり。

新学期。12日札幌大学の初日で、年間を持ち回りで担当するメンバーが顔を揃えた。
私の担当は12月〜1月に5回。今年は「色彩から考える北海道」というタイトルで
色にまつわる文化、産業、その背景、歴史などについて、話そうと思う。
5回だから、はじめに色彩全般について。2回目は赤、3回目は青。
4回目は白と黒。5回目はさて、何にしようか。

東が青、南が赤、西は白、北は黒という、陰陽五行の配当色は、
中華街の門の色にも、「青春、朱夏、白秋、玄冬」という四季の呼称にも
季節の様々な行事にも反映され、知れば知るほど面白い。

アイヌ語で、赤は「フレ」である。赤い実は「フレヌム」、又は「フレップ」。
「フレベツ」という地名があれば、それは赤茶けた土(岩?)と川があるところ、と想像できる。
富良野塾の住所、富良野市西布礼別というところには、「赤い川」があるかしら?
山田秀三さんのアイヌ語地名の本は、とっても楽しい。
赤については、紅花やコチニールの話も。

青は、藍について。北海道伊達市は藍の生産量が全国一(約30トン)。
本場徳島との交流の歴史や、北海道独自の取り組みについて、調べようと思っている。
札幌あいの里は、かつて藍が作られたことからきた地名、と聞いている。
開拓使が、米の代わりに藍の生産を奨励した経緯があるという。
八軒は、開拓使の実験農場地域だったのだが、藍は作っていなかったんだろうか?
誰かに聞いてみよう。

13日、札幌学院大「演劇とアートマネジメント」初講義。
今年はちょっと人数少なめで受講生14名の予定。
中国からの留学生1名。韓国から2名。女性が3名しか居ない。
いつもながらみんな個性的で、自己紹介にも持ち味が炸裂。たのしみ。
それにしても、OB、OGが10人近く顔を見せてくれた。
このパワーを講座に活かしたい。


4月5日(月)  桜満開の横浜、鎌倉、旅日記。

3泊4日で横浜に行ってきました。札幌を離れるのは久しぶり。
中華街のお気に入りのおかゆを食べ、なぜか人気の「ぶたまん」を歩きながらほおばり、
ジャスミン茶を買いました。
元町のスーパー「ユニオン」で果物をたくさん買って、ホテルで食べました。
横浜埠頭の広大なウッドデッキはとっても素敵。クイーンエリザベスとか、あすかとか、
豪華客船が入ると30万人もの人が見に来るんだと、タクシーのおじさんが言ってました。

鎌倉にも足をのばしました。北鎌倉で降り、駅前の小さな美術館へ。
ベネチアングラスを使ったアクセサリーやドレスのコレクションが素晴らしかった。
東慶寺は、いわゆる駆け込み寺。静かな優しい雰囲気のお寺です。
年配の男性客が多いのはなぜかしら?と思ったら、
和辻哲郎、清水幾太郎、鈴木大拙、高見順といった人たちのお墓が、そこにもここにも
ひっそりとあるのでした。
鶴岡八幡宮。桜並木の参道の正面、石段のうえにそびえるあの華やかなお宮が、
なぜか好きなんです。

娘と一緒の小さな旅。なんと80時間以上も、片時もはなれずに一緒に居たなんて
これまでに何度、あったかしら、と話し合いました。


3月24日(水)
ごめん、また更新が滞ってしまいました。
元気ですか? もうすっかり、春ですね。
久しぶりに、「昔とった杵柄」みたいな仕事の話をいただいて
うれしいな、がんばろう、という感じです。
スムーズに、楽しくやれたらいいな。

うれしいこといっぱい。いやなこともいっぱい。


3月13日(土)
野毛の元次郎(がんじろう)さんが、亡くなった。昨日、とのこと。
ストリートパフォーマンスの祭の老舗「野毛大道芸」
20年あまり唄い続けた、街頭のシャンソン歌手。
毎年4月に行われるこの祭、今年はいけるかなあ、とHPを開いたら
訃報が載っていた。
おととし、2002年の4月、初めて「野毛大道芸」を見にでかけた。
このとき、1日3回の元次郎のステージを、全部聞いた。
とっても良かった。泣けて、泣けて、しかたがなかった。
そのとき「元次郎が、癌になっちゃって」と、笑いながら言っていた。
去年の初夏、元次郎HPに闘病中の日記が載っていたので、メールしたら
丁寧な返事をいただいた。お会いしたのは一度だけ。

存命中に一度だけ、お会いした、というか、姿を見たひと。
三島由紀夫、帝国劇場のロビーでパンフレットにサイしてもらった。
武原はん、神戸まで舞の会を見に行って、前から3列目で地唄舞「雪」を見た。
寺山修二、亡くなる半年前、糠信淑美さんが催したショーに来札したとき。
私って、やっぱりミーハー。

元次郎さん、もう一度、歌を聴きたかった。
来月17日、18日に行われる「第28回野毛大道芸」は、元次郎追悼公演
だそうです。行けるかな?行きたいな。


3月3日(水)
明かるい陽ざしを受けてかた雪が真っ白に輝いてる。
その上を、猫がゆっくり通り過ぎる。
白黒のブチ。元気だったんだね。
去年の春、子猫を5匹つれていた、かあさん猫。
なんて気持ちのいい、ひな祭り。
娘の高校受験日です。がんばれ!

久しぶりに、古本屋で本を売った。
めったに売ることはしないのだけれど、たまに
本棚に置きたくない本は売る。
今回は、もう読まない作家の単行本2冊、文庫本9冊。
一軒目の店では、「Aさんの本はよほど新しくないと」
と、値がつかなかった。
2軒目で、750円で買ってくれた。
780円のウィスキーを買った。
これでいい。飲んでしまおう。


2月26日(木)
ドアをあけると、春のにおい。屋根の雪が解けて絶え間ない水滴の音。
でもきょうこれから、また吹雪の予報です。春はもう少しおあずけ? 

昨日、「八軒物語」のためのオリジナルソングが出来あがりました。
私からキーワードを挙げて、ゴスペルトレーナーの横尾美穂さんが
作詞作曲してくれたもの。すごくかっこいい八軒の歌が出来ました。
29日の公演で、初公開。
ちゃんとレコーディングして、琴似八軒の色んなところで
歌ってもらえたらいいな。歌詞をご覧ください。


2月18日(水)
「せめて週に一度くらいは、更新された近況を読みたい」
と、友人からあたたかいメールをいただいた。
その返信のつもりで書き始めたことを、ここに載せます。

週いちくらいは更新しなくちゃ、誰も見てくれなくなるよ、
と、中学生の娘にも言われ、自分でもまったくそのとおりだと思うのですが、
昨年スタートから半年ほど書いてみて、この欄に、何を書いたらいいのか
とても迷ってしまいました。

気楽に、自分の生活や、出来事や、思ったことを書けばいいのだ、
と思うのですが、いざとなると、書けない、言えないことが多すぎる。
自分をさらすことが、こわいのかな。
うれしいことの多くは、誰かの言葉だったり、行為だったりする。
いやなことも、多くが誰かの行為だったり、考え方だったりする。
だから結局、あまり気軽に語れない。

それじゃ、見たもの、聞いたもの、食べたもの、なんかについて
書こうかな、と思うのですが、ぜひ書きたい、という感動がなくちゃ、
書いてもつまんないでしょ、と思ったりして。

ひとつ、ヒントをいただいた。
誰かに手紙を書くようなつもりで書いたら、書けるかしら?

週に一度は、ひとことでも、書こう。やってみます。


1月21日(水)
近況です。
めずしく、たてつづけにオペラを2本、観ました。
16日、スロバキア国立オペラ座。
17日、地元声楽家による「蝶々夫人」。

スロバキアオペラは、道新の長谷川洋行さんの記事で知った。
楽しかった、素晴らしかった。ブラボーです。
サンプラザのステージにはピアノが1台。アレンジフラワーがひとつ。必要最低限の衣裳。
にもかかわらず、歌い手の力量(歌唱力と、演技力)で、ありありとドラマが見える。
女たらしのダンディー、生真面目な貴族、複雑な中年男性。
コケティッシュな少女、キレのいい女優、苦悩する硬質の女など
様々な人間のタイプ、性質がくっきりと描かれる。
料金は3,500円。5年前から地道な活動が続いているとのことで
固定ファンらしい人たちの、楽しげなざわめきが心地よい。

一方、「蝶々夫人」は教育文化会館大ホール。
オケピットでちゃんとオーケストラが演奏しているというのは、やはり豪勢。
オペラカーテンが揚がる瞬間はわくわくする。幕間のワインもいいな。
字幕入りで、改めて内容がよく分かった。
あと味のわるさに変わりはないが、実に周到によく書かれた作品なんだなあ。
なんて、雰囲気の話ばかりしているが、内容もなかなかでした。
夫の帰りを待つシルエットの演出、春の花をまき散らして歌うシーンの美しさ。

いいものですね、オペラも。


2004年1月1日(木)
あけましておめでとうございます。
11月で更新がとまったまま、年を越してしまいました。
他のページは、それなりに、こまめに更新しているつもりですが
この欄、何を、どんな風に書こうか。けっこう性格づけが難しいですね。
気持ちをあらたに、続けます。気長にお付き合いください。

2004年の目標と抱負を。
1.「表現教育指導者養成講座&ドラマワークショップ」を、新たな枠組みで継続する。
2.「八軒物語」製作、地域の物語採取活動、「わいわい広場」開催を継続する。
3.あらたな事業として「赤い実塾〜Academia hure-p(アカデミア・フレップ)」(仮称)を
  スタートさせる。各界の、様々な方にお話をうかがう、たのしい寺子屋です。
4.レッドベリースタジオで現代アートの催しを開催する。
5.アートマネジメントに関する大学などの仕事を、より充実させる。
6.連載記事など、原稿を書く仕事をバリバリこなそう。
7.事業収支を好転させる。

まずは当面、2月末〜3月の「八軒物語2003」本公演に向けて
各プロジェクトの製作をすすめます。
同時に新年度のための助成金申請を急がなければなりません。

今年もよろしくお願いいたします。平和な、良い年でありますように。